cancerがん治療について

“がん”について

“がん“についての基礎知識

がんは日本人の死因の第一位であり、その割合は年々増加しています。国民の2人に1人は一生のうち1度はがんにかかる時代となり、まさにがんは「国民病」といえます。

がんという病気は、遺伝子の突然変異によりがん細胞が無制限に増殖していくことで進行していきます。
がんは別名「悪性腫瘍」といい、生命をおびやかさないものを「良性腫瘍」といいます。
がんによる死亡の多くは肺がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん、肝臓がん、乳がんの6つのがんが原因です※。

※厚生労働省 2018年人口動態統計(確定数)の概況

“がん”転移とはどういう状態か

がん細胞は自らが増え続けるために血管やリンパの流れに乗って別の場所へ移動する力を持っており、肺や肝臓、脳、骨など血液の流れが豊富な場所へ広がっていきます。転移はいつどのタイミングでも起こる可能性があるので、がんと診断されたときに同時に見つかる場合もあれば治療中・治療後に発見される場合もあります。
また、転移と似た言葉に浸潤(しんじゅん)があります。浸潤とは、液体が染み込んでいくようにがんがその周囲の組織に入り込んでいくことを言います。転移がみつかればステージⅣと言われており、一般的に進行がんと言われる状態です。悪性腫瘍を手術で切除し、その後5年間で再発がなければ完治と診断されます。

“がん“の5段階分類

がんが、どこのリンパ節まで転移が及んでいるか、肝臓や肺など他の臓器や腹膜にまで転移しているか等でがんの種類にもよりますが、“基本的”にはステージ0~ステージⅣまでの5段階に分類されています。

がんのステージ

ステージ0
がんが細胞が上皮細胞内にとどまっており、リンパ節への転移はない状態
ステージⅠ
がん腫瘍が少し広がっているが、筋肉層でとどまっている。リンパ節への転移はない状態
ステージⅡ
リンパ節への転移はないが、筋肉の層を超えて浸瘍している。また腫瘍は広がっていないが、 若干リンパ節への転移がみられる。
ステージⅢ
がん腫瘍が浸瘍しておりリンパ節への転移もある。
ステージⅣ
がんがはじめにできた原発巣を超えて他の臓器へ転移している。

例えば、肺がんのステージ(病期)分類

例えば肺がんは、世界的に増加傾向にあり、わが国の肺がんは1998年に胃がんを抜いて、臓器別でのがん死亡原因の第1位となり、今後ますます増えるといわれています。 肺に発生する悪性腫瘍で肺そのものから発生したものを原発性肺がんといいます。また、肺に転移したものを転移性肺がん(肺転移)と呼びます。肺がんは、早期であれば手術が最も治癒の期待できる治療法ですが、発見された時には進行している場合が多く、手術のほかに放射線治療や抗がん剤治療、がん免疫療法と治療を行います。全身のがんの中では、最も治療が難しいがんの一つです。

ステージの判定はTNM分類と呼ばれる分類法を使用します。T=がんの大きさと浸潤、N=リンパ節への転移の有無、M=他の臓器への転移という3つの因子を組み合わせて病期を決定します。

Ⅰ期:がんが肺に留まり、リンパ節への転移はない

ⅠA期:がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cm以下でリンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。

ⅠB期:がんが原発巣にとどまっており、大きさは3cmを超えリンパ節や他の臓器に転移を認めない段階。

Ⅱ期:リンパ節転移はないが、肺の中のがんが大きい又はがんと同じ側の肺門リンパ節に転移している。

ⅡA期:原発巣のがんの大きさは3cm以下であり、同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めるが、他の臓器には転移を認めない段階。

ⅡB期:原発巣のがんの大きさは3cmを超え、と同じ側の肺門のリンパ節に転移を認めるが、他の臓器には転移を認めない段階。

Ⅲ期:がんが肺の周りの組織や重要な臓器に広がり、リンパ節にも転移している。

ⅢA期:原発巣のがんが直接胸膜・胸壁に拡がっていますが、同じ側の肺門リンパ節まで、または縦隔と呼ばれる心臓や食道のある部分のリンパ節に転移していますが、他の臓器には転移を認めない段階。

ⅢB期:原発巣のがんが直接縦隔に拡がっていたり、胸膜へ転移をしたり(胸膜播種といいます)、胸水がたまっていたり、原発巣と反対側の縦隔、首のつけ根のリンパ節に転移していますが、他の臓器に転移を認めない段階。

Ⅳ期:肺の中の場所や骨や脳、肝臓、副腎などに転移している(遠隔転移)、供水にがん細胞がみられる。

Ⅳ期:原発巣の他に、肺の他の場所、脳、肝臓、骨、副腎などの臓器に転移(遠隔転移)がある場合です。

また、肺がんは転移しやすいがんでもあります。肺は体に必要な酸素をとり込むための全身の血液が循環する臓器で、微細な網目構造になった豊富な毛細血管が血液のフィルターの役割をしています。 このため他の臓器にできたがん細胞が血液の流れに乗って肺に到達し、酸素を取り込むために張り巡らされた毛細血管に引っかかることで肺転移が起こると言われています。肺がんがほかの臓器に転移した場合、どこの臓器に転移しても肺がんの治療をしていくことになります。

人間ドックを活用して“がん“を見つける検査を!

そこで、上手に活用してほしいのは、人間ドックなど定期的な検診です。
健康診断を事業者が費用を負担して、被雇用者に行うことは法律で義務付けられています。
お仕事をされている方であれば、通常であれば年に1回は実施されます。
がんの初期段階は自覚症状がない場合も多く、がんを見つける“きっかけ“として非常に有効なのです。

当院人間ドックのご案内

人間ドックにおけるがん健診のメリット・デメリット
メリット
 がんの早期発見につながること

人間ドックは「これから発症かもしれない疾患を防ぐため」に受診する予防検診です。 病気を未然に防ぐことが最大の目的なので、検査を受けることでがんだけではなく、がんになる前段階の病変を見つける事が可能です。がんになる前段階は、ポリープや潰瘍などで、必要に応じて治療することで、がんになることを防ぐことができます。

デメリット
 結果的に不必要な検査や過剰診断になりかねないこと

人間ドックで行う検査も100%ではありません。「異常なし」という判定は、「あなたの身体にはがんはありません」ということではなく、がんの場所などによっては発見しにくく、見逃してしまう可能性があります。
また、検査を受けて「がんの疑い」と出たものの、再検査をしたら異常がない場合や生命に影響しないがんもあります。早期治療のため、このようながんにも手術などの治療が行われますが、この治療が本来不要だった可能性もあります。

結論
 見逃しを防ぐためには多角的な検査を定期的に受けることが重要

初期がんなどを見逃してしまうことは、どのような検診でも起こり得ることではあります。 見逃しを防ぐには複数の異なる検査で健康状態をチェックすること、そして定期的に検査を受けることが重要になります。
「がんの疑い」など受診者に心的負担をかかる事もありますが、かえがたい健康のためであり、その健康を今後も維持するためのモチベーションにつなげていただければと思います。

例えば、人間ドックで“がん“を見つける様々な検査とは?
血液検査(腫瘍マーカー)

がんがあると、血液や尿中に特定の物質が変動することがあります。そのような物質を「腫瘍マーカー」といいます。
体への負担が少なく簡単に調べることができますが、正常な状態や良性の腫瘍の場合にも増加することもあり、腫瘍マーカーの結果だけでは、がんと診断することはできないが、「がんの可能性」を気軽に検査することができます。気になる疾患に該当する腫瘍マーカー検査を受診し、判断材料のひとつとして役立ててください。

当ドックで発見された臓器別がん症例数(全臓器)

当ドックで発見された臓器別がん症例数(全臓器)
“がん“と診断された後の3つ+1つの治療法

がんと診断され、医師から提案される治療法は基本的には外科治療である「手術」、抗がん剤を用いて治療する「化学療法」、がんに放射線を照射して治療を行う「放射線治療」で、これががんの3大標準治療です。 これらの治療方法の特徴を活かし、がんの種類や部位などに合わせて治療法を組み合わせたりしながら、治療が行われてきました。近年では3大治療法を基本とした上で、新たな治療方法が登場してきており、治療の選択肢がさらに増えています。その中でも第4の治療方法として、注目を集めているのが「がん免疫療法」です。

手 術

がんの病巣を外科的に切除します。その臓器の周辺組織やリンパ節に転移があれば、一緒に切除を行います。
できるだけ体への負担を少なく、治療後の合併症を最小限になるように手術が行われます。しかし、体にメスを入れるため、手術の傷や全身の回復にある程度時間がかかり、切除した部位や臓器によっては身体の機能が失われることもあります。 こうしたデメリットを小さくするために、最近は手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使用した治療法の普及が進んでいます。 お腹に数カ所の小さな穴を開け、外科医の操作に従って手術を行うため、患者さんの身体の負担が少なく傷も小さいなどのメリットがあります。

ロボット支援手術とは
ロボット支援手術

「ロボット支援手術」とは、執刀医がロボットをコントロールしながら行う手術です。
現在この手術は、da vinciサージカルシステムという手術支援ロボットを使用して行います。当院ではda vinci Xiという最新鋭のロボットを導入しています。 手術支援ロボットは患者さんの負担が少ない腹腔鏡手術と同じようにいくつかの小さな切開部を作り、外科医の操作に従って内視鏡・メス・鉗子を 動かして行う内視鏡手術です。

腹腔鏡手術と同様、身体に小さな穴を開けて行う手術のため以下のメリットがあります。
・傷口が小さい 
・出血量が少ない 
・術後の回復が早い

鮮明な3D画像  
執刀医は3Dモニターを見ながら座って操作します。  
立体的で高画質、術野を10倍拡大して見ることが可能で、患部の細部まで正確にとらえることができます。

精密な動きを再現
ロボットアームに装着されている鉗子やメスを操作します。ダビンチには関節機能があり、手のように動かします。

薬物療法

おもに、抗がん剤によってがん細胞の増殖を抑える治療です。以前は入院で行っていた化学療法も、外来で安全に抗がん剤治療が行えるように変化してきています。抗がん剤の投与方法は、点滴や注射、内服薬です。血液を通して全身をめぐるため、ごく小さな転移にも効果があります。
しかし脱毛、吐き気、倦怠感など抗がん剤の副作用による症状や、臓器への障害が避けられず患者さんにとって身体的にも精神的にもつらい治療になってしまうのが難点です。しかし、吐き気や嘔吐をあらかじめ抑える制吐剤等があり、日常生活に支障がない程度に、症状を軽くできるようになってきています。また最近は、がん細胞の発生や増殖に関わる特定の分子だけに作用する分子標的治療薬の開発が進み、実用化されています。

外来化学療法
化学療法室

近年では副作用の少ない薬の開発が進み、外来通院で行うことが主流となっています。化学療法を受けながら自宅で生活し、家事や仕事など日常生活を続けながら治療に取り組めるというメリットがあります。
外来化学療法センターは12床が稼働しており、長時間の治療を受けていただけるように様々な配慮をしております。医師をはじめ、看護師、がん専門薬剤師など多職種からなるチームが、それぞれの専門的な視点から患者さんやご家族の悩みや不安、薬による苦痛をできる限り取り除けるようサポートしています。

放射線治療

放射線を照射することによって、がん細胞の増殖を抑えます。
放射線治療の利点は、手術で病巣を切除することなく治療が可能なため身体への負担が少なく、高齢者の方、過去の治療歴から手術や薬物療法が難しい方にも放射線を用いた治療なら可能なことがあります。しかし、放射線を使用するので、照射する箇所においては正常な臓器にも影響を与える可能性が高いため、放射線の照射範囲や方法を厳格に管理をしています。放射線としてよく知られているのはX線ですが、このほか、先進医療として認可されている粒子線を使う陽子線治療などがあります。

がん免疫療法

免疫とは、体の中に侵入した細菌などの異物を排除するために、人間が生まれながらに備えている能力です。
免疫療法はその免疫の力を活かしてがんを治療する方法で、自分自身の持つ免疫力を使った治療なので、体力があり免疫の働きも衰えていない病気の早い段階で使うと、より高い効果をあげることも知られています。他の治療ほどすぐに効果が現れるわけではないですが、効果が長期間持続することを特徴とします。がん免疫療法の中には、血液中から免疫細胞を取り出し、体外で増殖・活性化してから再び体内へ戻すことによって免疫力を高める免疫細胞療法や、がん細胞が免疫細胞の攻撃にブレーキをかけることを止める作用を持つ免疫チェックポイント阻害剤を投与する治療法があります。

“がん“の事で困ったらどうしたらいいの?

当院の入退院・総合相談センターには、看護師、医療ソーシャルワーカー、事務員が常駐しています。
病気になると身体の事だけではなく、日常生活の事など様々心配事が出てくることがありますが、当院では、そのような心配事のご相談をお受けするために、患者さんの相談窓口があります。
がん患者さんやご家族の方々の「がん」関するご質問・悩み・不安などの相談をお受けしています。どうぞお気軽にご相談ください。

がん相談支援センター

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