胸の痛み、動悸、息切れなどの症状は、心臓や血管の病気(循環器疾患)のサインかもしれません。
当科では完全予約制にて午前中に新患外来を行っており、心電図・心エコー・CT・MRIなどの各種画像診断装置を活用し、患者さんに安心していただけるよう、わかりやすく丁寧な診療を心がけています。
かかりつけ医からのご紹介による予約も可能ですので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
循環器疾患は糖尿病や腎疾患などを合併することが多く、当科では他の診療科と連携しながら、幅広く総合的な診療を行っています。慢性腎臓病(CKD)や糖尿病が心不全のリスク因子として明確に示されており、早期の診断と治療が重要とされています。
外来名 |
ペースメーカー外来 |
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診療日 |
4月・5月・6月・10月・11月・12月の金曜日 / 午後(要予約) |
狭心症や急性心筋梗塞は、虚血性心疾患と呼ばれ、心筋へ血液を供給している冠動脈という血管の異常から起こります。主な原因は動脈硬化であり、冠動脈が狭くなって血流が減少することで胸痛などの症状が現れるのが狭心症です。一方、急性心筋梗塞は冠動脈の一部が完全に閉塞し、心筋が部分的に壊死を起こす重篤な病態です。
これらの予防には、動脈硬化を引き起こす危険因子(高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙、肥満、運動不足、ストレスなど)を適切に治療・管理することが最も重要です。また、虚血性心疾患が疑われる場合には、迅速かつ正確な診断が求められます。
当科では、以下のような検査を通じて診断を行っています。
冠動脈CT検査では、心臓の血管の状態を非侵襲的に評価します。冠動脈造影(CAG)では、腕や大腿の動脈から細いカテーテルを挿入し、造影剤を注入して血管の狭窄や閉塞を確認します。さらに、冠動脈に狭窄が認められた場合には、心臓MRIや心筋シンチグラフィーを用いて心筋血流や機能を画像で評価し、治療方針の決定に役立てています。
治療としては、薬物療法のほか、カテーテルを用いた冠動脈治療(PCI)を行っています。薬物療法では、抗血小板薬、血管拡張薬、β遮断薬、スタチンなどを用いて症状の安定化と再発予防を図ります。カテーテル治療では、狭くなった血管を風船で拡げる「PTCA(経皮的冠動脈形成術)」や、金属製の網(ステント)を留置して血管を広げた状態を維持する方法を採用しています。
心臓は1日に約10万回の拍動を繰り返し、そのリズムは「洞結節」という部位から発生した電気信号が、刺激伝導系という“電線”を通じて心房や心室に伝わることで保たれています。この電気の流れに異常が生じると、脈が不規則になる「不整脈」が起こります。
不整脈には、脈が一時的に飛ぶ「期外収縮」、脈が速くなる「頻脈」、遅くなる「徐脈」などがあり、症状や重症度はさまざまです。代表的な疾患には、心房細動、WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群、発作性上室性頻拍症、洞不全症候群などがあります。
不整脈の診断には、正確な心電図検査が不可欠です。特にWPW症候群では、副伝導路によって電気信号が異常に伝わり、心房細動を合併すると心室拍数が極端に上昇し、心室細動や突然死のリスクが高まるため、迅速な対応が求められます。
当科では、専門的な心電図診断をもとに、病態に応じた治療を行っています。治療法には、薬物療法のほか、脈が遅くなるタイプの不整脈に対してはペースメーカ治療を行っており、必要に応じてカテーテルアブレーションなどの専門的治療も検討します。
心不全とは、心臓の働きが弱くなり、全身に必要な血液を十分に送り出せなくなる病気です。原因には、心筋梗塞、心筋症、高血圧、弁膜症などがあり、当科では特に心筋梗塞が多く見られます。
心不全は、急に悪くなることもあれば、長く続くこともあります。最近の診療では、急性期と慢性期を分けず、ひとつながりの病気として治療を続けることが大切だとされています。
当科では、入院による治療が必要な急性心不全に対しては、利尿薬や酸素などを使って症状を改善します。外来では、慢性心不全の管理として、心臓の負担を減らすβ遮断薬、血管を広げて血圧を下げるアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)、体の余分な水分を出してむくみや息切れを改善する利尿薬などを使用しています。また、最近では糖尿病の薬として使われていたSGLT2阻害薬が心不全にも効果があることがわかり、治療に取り入れられています。
虚血性心疾患 |
狭心症、急性心筋梗塞、陳旧性心筋梗塞、不安定狭心症 |
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心不全 |
各種心疾患 |
弁膜症 |
大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症 |
先天性心疾患 |
心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、動脈管開存症 |
不整脈 |
心房細動・粗動、洞不全症候群、房室ブロック、心室頻拍・心室細動、ペースメーカー交換 |
高血圧症 |
腎血管性高血圧症、原発性アルドステロン症 |
動脈疾患 |
閉塞性動脈硬化症、大動脈瘤 |
静脈、肺循環疾患 |
肺塞栓症、深部静脈血栓症、肺高血圧症 |
心筋、心膜疾患 |
心筋症、心内膜炎、心嚢液貯留 |
その他 |
肺炎、胸膜炎、出血性疾患、その他 |
[単位:件]
検査名 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | |
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心エコー | 経胸壁 | 2,890 | 3,207 | 3,612 | 3,598 | 3,511 |
経食道 | 17 | 16 | 15 | 25 | 19 | |
ホルター心電図 | 465 | 541 | 478 | 379 | 318 | |
トレッドミル運動負荷 | 131 | 93 | 107 | 55 | 23 | |
心臓MRI | 18 | 15 | 33 | 17 | 5 | |
心臓CT | 252 | 278 | 277 | 303 | 245 | |
心臓RI | 164 | 162 | 138 | 105 | 94 | |
運動負荷 | 11 | 9 | 17 | 12 | 13 | |
薬剤負荷 | 33 | 41 | 30 | 18 | 13 | |
安静時 | 120 | 112 | 91 | 75 | 68 | |
心臓カテーテル検査 | 169 | 157 | 177 | 157 | 127 | |
PCI | 60 | 62 | 57 | 67 | 68 | |
PTA | 2 | 0 | 0 | 2 | 0 | |
PPM(新規) | 12 | 22 | 17 | 14 | 9 | |
PPM(交換) | 9 | 14 | 16 | 17 | 17 |
※上記の表はいずれの年も1月~12月までの集計値です。
氏名 | 乘安 和将 ( のりやす かずゆき ) |
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役職 | 循環器内科部長 |
専門分野 | 循環器内科一般、心血管インターベンション、心臓核医学 |
資格 | 日本内科学会 認定内科医 日本循環器学会 循環器専門医 臨床研修指導医 難病指定医 医学博士 |
氏名 | 林 大知 ( はやし たいち ) |
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役職 | 医長 |
専門分野 | 循環器疾患一般、心エコー図 |
資格 | 日本内科学会 認定内科医 日本循環器学会 循環器専門医 日本超音波医学会 認定超音波専門医 難病指定医 医学博士 |
氏名 | 立田 大志郎 ( たつた だいしろう ) |
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役職 | 医師 |
専門分野 | 循環器疾患一般、不整脈診療、カテーテルアブレーション、心不全緩和ケア |
資格 | 日本内科学会 認定内科医 日本内科学会 総合内科専門医 日本循環器学会 循環器専門医 日本不整脈心電学会 不整脈専門医 日本不整脈心電学会 ICD/CRT研修修了 補助人工心臓治療関連学会協議会 植込型補助人工心臓管理医 日本心不全学会 心不全緩和ケアトレーニングコース(HEPT)修了 日本不整脈心電学会 着用自動除細動器(WCD)処方資格 難病指定医 医学博士 |
氏名 | 古本 智夫 ( ふるもと ともお ) |
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役職 | 医師(非常勤) |
専門分野 | 循環器疾患全般 (高血圧・生活習慣病・血管内皮機能) |
資格 | 日本高血圧学会 評議員 日本心血管内分泌代謝学会 評議員 難病指定医 医学博士 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | ||
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午 前 | 新 患 外 来 | 立 田 | - | 林 |
- |
乘 安 |
再 来 受 診 | 乘 安 | 立 田 | 立 田 | 乘 安 | 玉 野 | |
古 本 | 古 本 | 古 本 | 古 本 | 林 | ||
- | 林 | - | - | - | ||
午 後 | 再 来 受 診 | 予 約 外 来 | 予 約 外 来 | 予 約 外 来 | 予 約 外 来 | 予 約 外 来 (ペースメーカー外来)※ |
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