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年齢とともに高まるリスク!大動脈瘤について

 大動脈とは、心臓から拍出された血液が最初に通る、人体の中で最も太い血管です。大動脈は樹木のように細かく枝分かれしながら、全身に血液を送り出す血液循環の大本です。大動脈の病気はさまざまありますが、「大動脈解離」と「大動脈瘤」の2つが代表的です。大動脈解離は大動脈の壁の内膜に裂け目ができ、その外側の中膜の中に血液が入り込んで大動脈が裂けることを大動脈解離といい、大動脈の壁の一部がふくらみ、“こぶ”ができた状態を大動脈瘤と言います。胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤など、そのこぶができる部位によって呼び方が異なります。

 小説家の司馬遼太郎さんや俳優の阿藤快さんが大動脈瘤の破裂で亡くなったことがよく知られています。大動脈瘤は最終的には破裂して死に至ることもある病気です。「サイレントキラー」とも呼ばれており、それほど危険な病気なのですが、症状は破裂するまで全くないことが多く、ある日突然、破裂して激痛を感じます。もし、大動脈瘤が破裂した場合、心停止、呼吸停止に至り、生命の危機につながります。幸い、緊急手術で救命できるケースもありますが、多くが救命困難となります。

 大動脈瘤が自然に小さくなるようなことはありません。早期発見のためにも、病気について知り、予防を心がけることが大切です。
大動脈瘤の原因の多くは動脈硬化といわれており、その危険因子である高血圧、高脂血症、喫煙習慣、糖尿病また遺伝的な素因などが“こぶ”の形成に大きく関わっています。特に高血圧の方は、動脈硬化の原因になるだけでなく、血管が膨らむ、亀裂が入る要因ともなるので十分な注意が必要です。

 大動脈瘤の有無を調べる方法としては、超音波検査やCT検査がスクリーニング検査として有用です。他の疾病の検査や人間ドック等に偶発的にCTや超音波検査などで発見されることが多いため、定期的に検査をすることが大切です。
当院では毎週 水曜日(予約制)に大動脈瘤ドックを実施しており、早期発見のために検査を行っております。皆さんに受診していただきやすい価格設定でおこなっております。是非検診にお越しください。

 もし大動脈瘤が見つかった場合には外科的な手術をして未然に破裂を予防します。

外科的治療法としては「人工血管置換術」またはカテーテルというストロー状の長い管を挿入し、人工血管に留置する「ステントグラフト内挿術」という方法があります。患者さんの全身状態や血管の性状に合わせて、適した治療法を選択します。

まずは身体にある大動脈瘤を探してみませんか?

大動脈瘤検診 検査項目


1.問診・身長・体重測定

身長・体重のバランスを調べます。

2.採血

脂質検査・血糖などを調べます。


3.CT検査

胸部から骨盤までを撮影し、心臓病、大動脈瘤、動脈硬化の有無を調べます。


4.心電図・ABI

心電図検査で不整脈、狭心症、心筋梗塞などを調べるスクリーニング検査を行います。 ABI検査で動脈が狭くなっていないか、つまっていないかを測定します。

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