リウマチ膠原病内科は、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎・皮膚筋炎、強皮症、血管炎、シェーグレン症候群などのリウマチ・膠原病全般を主な診療対象としています。これらの多くの疾患は自己免疫疾患とも呼ばれ、本来は自分の体の中で自分自身をウィルスや細菌や癌から守ってくれる働きをしている免疫のシステムが、誤って自分自身を攻撃してしまうようになり、全身に様々な症状を引き起こす疾患です。
当科を受診される患者さんの症状としては、発熱や関節痛、口渇、ドライアイ、レイノー現象(冷えると指先が白から紫に変化)、日光過敏、尿蛋白や尿潜血、皮疹、筋肉痛などの症状が同時に複数見られることが多いのが特徴です。近年治療も進歩を遂げており、特に関節リウマチや乾癬性関節炎などに対する生物学的製剤の登場で寛解を目指した治療が実現されてきています。
そのため、関節エコー検査やMRI検査を用いて早期診断や病気の勢いを正確に判定することが重要となり、適切な治療をすることで、将来的な関節破壊の抑制が可能となっています。一方で、当科の疾患の治療には、正常な免疫システムを抑えるお薬が多いため、感染症には注意が必要です。感染症の予防や骨粗鬆症の予防も重要であり、万が一肺炎などの感染症を発症した際にはその治療も行っております。
当科では、患者さんお一人お一人の全身状態や合併症を把握しながら、全人的な医療を心がけ、日々診療に当たっております。
日本では人口の約0.5%(70万人)の患者さんがいると推定されており日本では発症年齢は30-50歳代に多く1:4で女性に多いとされています。朝の手の握りにくさや手指や足趾の関節の腫れや痛みが持続し、次第に関節の破壊や変形が起こります。早期に診断し、MTXなどの抗リウマチ薬や生物製剤で寛解を目指す治療を行うと関節破壊が予防できるようになってきています。当院では、関節エコー検査なども行い、早期診断と最新の治療が提供できるよう診療体勢を整えております。
※出典:(Yamanaka, et al. Modern Rheumatol 2014: 24(1):33- 40.)
日本では約6万人の患者さんがおり、発症年齢は20~40歳に多く、1:9で女性に多いとされています。発熱や関節痛、蝶形紅斑(鼻や頬に蝶のような形の赤い皮疹)や日光過敏症、白血球数の低下や血小板減少、尿蛋白や尿潜血、胸膜炎や間質性肺炎など様々な症状を起こすことがある疾患です。しかし発症の仕方は患者さん毎に異なるため、その症状に合わせて適切にステロイドや免疫抑制剤で治療することが必要です。
※出典:難病情報センター 全身性エリテマト-デス https://www.nanbyou.or.jp/entry/53
日本にはおよそ10万人の患者さんがおり、発症年齢は50歳代がピークで、1:17で女性に多いとされております。ドライマウスやドライアイ、関節痛、血球減少、間質性肺炎などの症状がみられます。他の膠原病との合併や悪性リンパ腫を合併する時はその疾患に準じた治療が必要です。
※出典:難病情報センター シェーグレン症候群 https://www.nanbyou.or.jp/entry/111
日本には約2万人の患者さんがおり、好発年齢は30~50歳代で、1:12で女性に多いとされております。皮膚の硬化やレイノー現象、関節痛、消化管の運動機能障害などの症状が多く、間質性肺炎や肺高血圧症の合併にも注意が必要です。
※出典:難病情報センター 全身性強皮症 https://www.nanbyou.or.jp/entry/4026
大多数の患者さんが近位筋(大腿部や上腕、頸部の筋肉)に痛みや疲れやすさ、脱力が出現します。皮膚には上眼瞼の浮腫性の紫色の皮疹(ヘリオトロープ疹)や手指の関節背面に少し隆起した紫紅色の皮疹(ゴットロン徴候)、前頸部から上胸部にかけての紅斑(V徴候)などがみられることもあります。悪性疾患や間質性肺炎の合併に注意が必要です。
侵される血管のサイズにより症状も異なりますが、抗生剤が無効な発熱や体重減少が続き、血尿や蛋白尿、腎機能障害の進行、間質性肺炎や肺胞出血、紫斑や皮膚潰瘍、手足のしびれ、腹痛や下血、脳梗塞などの様々な症状がみられることがあります。
多彩な動・静脈血栓症や習慣性流産、血小板減少などをきたす疾患で、特に50歳未満の動脈血栓症にはこの疾患を疑う必要があります。診断には1998年の国際抗リン脂質抗体シンポジウムで提唱された診断基準(Sapporo-Criteria)のシドニー改訂版を用います。
繰り返すアフタ性口腔内潰瘍、陰部潰瘍、毛嚢炎や結節性紅斑、ぶどう膜炎を4大主症状とする疾患です。消化管潰瘍や中枢神経症状や血管炎を合併することもあります。
抗生剤が無効の発熱や咽頭痛、肝機能障害、発熱時に出現し解熱すると消失するサーモンピンク色の皮疹、関節痛などの症状があり、高度の炎症反応(CRPや白血球数の増加)やフェリチンの高値を認めるが、通常リウマチ因子や抗核抗体は陰性であるのが特徴です。
高齢者に誘因なく急に頸部や肩周囲、大腿部や腰部のこわばり感と痛み、微熱、倦怠感、食欲不振、関節痛などの症状が出現します。同時にCRPや赤沈などの炎症反応が高値となりますが、自己抗体は陰性で、少量のステロイドが著効することが多い疾患です。時に悪性腫瘍が隠れていることがあるので注意が必要です。
膠原病 | 感染症他 | ||
---|---|---|---|
関節リウマチ |
30 |
ニューモシスチス肺炎 |
0 |
全身エリテマトーデス |
16 |
細菌性肺炎 |
4 |
強皮症 |
8 |
COVID-19 |
11 |
皮膚筋炎・多発性筋炎 |
18 |
誤嚥性肺炎 |
3 |
シェーグレン症候群 |
8 |
間質性肺炎 |
22 |
混合性結合組織病 |
0 |
帯状疱疹 |
0 |
成人発症Still病 |
3 |
アスペルギルス感染症 |
0 |
リウマチ性多発筋痛症 |
2 |
急性胃腸炎 |
1 |
RS3PE症候群 |
0 |
腎盂腎炎・尿路感染症 |
1 |
ベーチェット病 |
3 |
淋菌性咽頭炎 |
0 |
IgG4関連疾患 |
2 |
副腎不全・低Na血症 |
0 |
大動脈炎症候群 |
0 |
不明熱 |
0 |
巨細胞性動脈炎 |
3 |
化膿性関節炎・脊椎炎 |
0 |
結節性多発動脈炎 |
0 |
薬剤アレルギー |
2 |
顕微鏡的多発血管炎 |
9 |
熱中症 |
0 |
好酸球性多発血管炎生肉芽腫症 |
2 |
横紋筋融解症 |
0 |
IgA血管炎 |
1 |
自己免疫性血小板減少症 |
2 |
偽痛風 |
0 |
フェルティ症候群 |
0 |
自己免疫性肝炎 |
0 |
リンパ増殖性疾患 |
3 |
薬剤性肝炎 |
0 |
悪性リンパ腫 |
2 |
原発性胆汁性胆管炎 |
0 |
骨髄異形成症候群・白血病 |
0 |
※重複症例を含む
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
外来延べ患者数 | 9,822 | 8,885 | 8,849 | 9,076 | 9,536 |
入院延べ患者数 | 2,310 | 2,391 | 1,400 | 1,532 | 1,334 |
入院患者数(人) | 130 | 154 | 91 | 127 | 128 |
平均年齢(歳) | 67.8 | 68.8 | 66 | 68.4 | 61.0 |
平均在院日数(日) | 17.3 | 15.5 | 15.4 | 12.6 | 16.1 |
※上記の表はいずれの年も1月~12月までの集計値です。
氏名 | 笠原 英樹 ( かさはら ひでき ) |
---|---|
役職 | 内科診療部長、リウマチ膠原病内科部長、感染管理推進室室長 |
専門分野 | 内科一般、リウマチ・膠原病 |
資格 | 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 研修指導医 日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医 日本感染症学会 ICD 難病指定医 医学博士 |
氏名 | 坊垣 幸 ( ぼうがき みゆき ) |
---|---|
役職 | 医長 |
専門分野 | リウマチ膠原病内科一般 |
資格 | 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 認定内科医 日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医 難病指定医 医学博士 |
氏名 | 秋田 佳奈恵 ( あきた かなえ ) |
---|---|
役職 | 医師 |
専門分野 | リウマチ膠原病内科一般 |
資格 | 日本内科学会 総合内科専門医 日本内科学会 認定内科医 日本内科学会 内科指導医 日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医 難病指定医 医学博士 |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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午前 | 笠原 英樹 (予約外来) |
坊垣 幸 (予約外来) |
笠原 英樹 (予約外来) |
坊垣 幸 (予約外来) |
坊垣 幸 (予約外来) |
秋田 佳奈恵 (予約外来) |
- | - | 秋田 佳奈恵 (予約外来) |
- | |
坊垣 幸 (新患外来) |
秋田 佳奈恵 (新患外来) |
- | - | 笠原 英樹 (新患外来) |
|
午後 | - | 予約外来 | 予約外来 | 予約外来 | - |
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